ミナコイチャット

「書留」の過去ログ

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2018年12月24日 23時16分 ~ 2019年03月16日 22時49分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています

おしらせ新規ルームを作成完了しました。(3DS 61.215.***.145)  (2018/12/24 23:16:19)

おしらせ財前.さんが入室しました♪  (2018/12/24 23:16:31)

財前.  (2018/12/24 23:16:51)

おしらせ財前.さんが退室しました。  (2018/12/24 23:16:53)

おしらせさんが入室しました♪  (2018/12/24 23:20:36)

う~~~~~んどうすっかな   (2018/12/24 23:20:54)

「(やんわりと外されてしまうだろうかとも思った自分の両手、しかし彼は壊れ物を扱うかのように自分を抱き締めた。)」   (2018/12/24 23:23:15)

積極的~~~   (2018/12/24 23:23:22)

「(彼の腕の中は暖かく、心地が良い。確かに守られているというその実感、じんわりと心に安心感と充足感が広がっていく。首筋についばむ(漢字……)ような口付けを落とされては「くすぐったいんじゃけど」と呟きが零れる。それでも隠しきれずに声色に滲むは満更でも無さそうな感情だった。)」   (2018/12/24 23:29:00)

「そうか?(甘い香りがする、なんて言われては小さく笑う。互いに甘い匂いがすると思っていることが可笑しかった。彼の香りまで完璧に纏ってしまえたらどんなにか良いだろうか、なんて考えが一瞬よぎった。まあ、そんなのはただの妄想か。やんわりと~」   (2018/12/24 23:36:09)

「おん。俺も好きぜよ(この感情に好きだなんて言葉はあまりもふわふわしている。自分が彼にたいして抱くこの感情は、もっとどろりとして重たいものだ。愛してる、と言えば充分なのだろうか。しかしそれをぶつけて嫌われてしまうよりは、軽い言葉が似合う現状を維持したかった。だから、今日も重たい言葉を飲み込んで、彼の言葉に笑って頷く。)」   (2018/12/24 23:42:05)

頭を撫でられれば手持ちぶさたに彼の後頭部に手を伸ばした。綺麗に整えられた髪の毛は乱れることを知らないかのようで、それをなんとなく崩したくなった。えい、と彼の髪型をぐしゃりとかきまわしてみようか。   (2018/12/24 23:44:10)

おしらせさんが退室しました。  (2018/12/24 23:44:20)

おしらせさんが入室しました♪  (2018/12/29 23:48:12)

“大事な後輩”。そのたった一言で驚くほど胸が苦しくなる。先輩なのだからと己を称して笑う彼。きっと彼にとったら自分との関係なんて精々そこ止まりだ。同じ部活の、他より少し親しい後輩。そんな儚い立場にいるのだと今更ながらいやと言うほど気付かされる。   (2018/12/29 23:51:29)

ぱし、と自分の背中を叩く手の力加減は決して痛むものではない。それなのに触れられた背中が仄かな熱を放つ。   (2018/12/29 23:54:35)

痛むものではない→強いものではない   (2018/12/29 23:54:59)

彼がぽつと落とした言葉がやけに大きく聴こえた。彼は三年生だ。家業を継ぐのなら高校は頭の良いところにしろと周りからせっつかれている、という話をちらりと聴いたこともある。そうなればもう二度と会うことはないし、この想いを伝えることもないのだろう。   (2018/12/29 23:58:33)

そう思った瞬間、自分の中で何かがぱちんと弾けた気がした。考えるより先に口から言葉が溢れ出る。)…   (2018/12/30 00:01:18)

さっき謙也さん帰りに誘うたの意味ない言いましたけど、あんなん全部嘘っぱちやわ。そない理由なんてなんぼでもあるに決まっとるやん(じゃなきゃ俺が他人なんか誘うわけないやろ、と独り言のように吐き捨てた。今酷く自暴自棄になっているということは頭のすみの冷静な部分で理解していた。でも、今更言葉が止まる理由なんてあるはずもない。彼の表情を見るのが何故か怖くて、うつ向いた)   (2018/12/30 00:08:34)

決定的な一言。まだ自分は言えていない言葉。それを言ってしまえばもうこの関係に戻れることはないのだろう。もうどうにでもなれ、なんて気持ちで言葉を紡ぐために息を吸い込む。   (2018/12/30 00:12:26)

でも、今更とまるはずもない~~~→カット   (2018/12/30 00:13:27)

おしらせさんが退室しました。  (2018/12/30 00:14:01)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/4 01:08:12)

(甘く掠れた声で紡がれた彼の言葉に腰の辺りがざわついた。彼の一挙一動に酷く興奮を煽られる。硝子細工のように、手荒く触ったら壊れてしまいそうな気がして、紅く染まる彼の頬にそっと手を伸ばした。)   (2019/1/4 01:16:59)

(彼の頬に手を添えてゆっくりと唇を重ねた。触れるだけの軽い口付け。ほんの戯れにも似た一瞬だったが、時が止まったのではないかと錯覚するほど多幸感に包まれる。女子のように甘い香りも柔らかさもない、それでも彼が愛おしい。)   (2019/1/4 01:22:04)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/4 01:22:19)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/5 07:09:43)

自分より幾分か高い位置にある彼の顔を自分の方へと向けさせると   (2019/1/5 07:12:11)

憧れとかそんな気持ちだけではなく、純粋に彼のことが好きなのだと思った。   (2019/1/5 07:14:35)

永遠とも一瞬とも思える時間が過ぎて、ようやく顔を離した。未だぎゅっと目を閉じている彼の頬が赤みを帯びている。こんなことは何でもないとばかりに澄ました表情との対比が少し可笑しくて、思わず彼らしくて、思わず笑みが零れた。   (2019/1/5 07:21:13)

嗚呼、今自分はいったいどんな顔をしているのだろう。今までにないくらい幸せな表情をしている気がした。今更ながら照れが襲ってきて、肩に引っかけた鞄をかけ直す振りをして誤魔化す。)   (2019/1/5 07:26:56)

足止めしてしもてすんません。帰りましょ(なんて、言葉面だけは必死に平然を装う。耳が熱かった。どうかバレませんように、と身勝手なことを思った。   (2019/1/5 07:30:30)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/5 07:32:14)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/6 02:12:40)

帰ろうと道の前方に視線を向けたものの、甘えたように己の名を呼ぶ彼の声と引っ張られた腕に、彼の方を振り向く。彼の表情は俯いていてよく見えないが、紅く染まったままの耳が何よりも雄弁に物語っていた。何すかと聞きかけた矢先に彼が口を開いた。もっかい、だなんて呂律もろくに回らぬまま、キスを強請る彼にくらりと脳が揺らされたような心持がする。己とはたった1つしか年が違わない筈なのに、一体何処でこんな色気を身に付けてくるんだ、此の人。それに対して見事に欲を煽られてる俺の気分にもなれと内心毒づく。もしや自分の理性を試しているのかと疑いたくなるほど、其の姿は扇情的だった。   (2019/1/6 02:12:52)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/6 02:12:54)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/6 07:31:43)

何も言わずに腕を伸ばして、彼を自分の腕の中に引き寄せた。自分より彼の方が少しだけ身長が高い為、あまり格好はつかないが、それは仕方のない。   (2019/1/6 07:41:31)

…そない煽んないでほしいんすけど。俺だって余裕ないんすわ(思ったままをぽそりと呟く。そのまま我慢しきれない、と言いたげな表情で彼の唇に、先程より少しだけ荒い口付けを落とした。   (2019/1/6 07:49:49)

顔に持つ熱のせいだろうか、彼の唇は熱かった。顔を離してから両腕に力を込めてぎゅっと抱き締める。)   (2019/1/6 07:55:36)

謙也さん、その顏絶対俺以外に見せんといて下さいね(抱き締めたまま、独占欲に似た言葉を吐き出した。でも、彼のこの表情は自分のものだけにしておきたかった。少し我儘がすぎるかもしれないけれど、それくらいは多目に見てほしい。)   (2019/1/6 08:02:14)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/6 08:05:19)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/14 10:47:53)

![   (2019/1/14 10:47:56)

!財前と返る約束をしていたから早く帰ろうと思っていたのに、日誌を書いていたらうっかりうたた寝をしてしまっていた。   (2019/1/14 10:48:54)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/14 11:06:44)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/15 20:54:09)

!文字起こしターイム   (2019/1/15 20:54:23)

!「人の寿命が見える手塚と寿命残り一カ月の跡部の塚跡。」   (2019/1/15 20:54:51)

!__俺としたことが油断していた。まだ朝も早いし、どうせ誰も来ないだろうと思ったのだ。だからといって眼鏡を置いておくべきではなかったのだと、今なら過去の自分を問い詰める。誰が入ってくるかもわからなかったのに、まさに慢心とでもいうべきか。   (2019/1/15 20:56:20)

!俺は生まれつき人の寿命を見る事が出来る。他人の瞳に、残り時間のタイマーが透けて見えるのだ。もっとも鏡越しだったり物を通してみることは出来なかった為、自分の寿命だけは知ることはなかったが。眼鏡はそれを見ないようにするために掛けていた。だから眼鏡に度は入っていない。それを知るのは俺の家族だけだった。   (2019/1/15 20:59:13)

!それなのに。   (2019/1/15 20:59:28)

!俺としたことが~   (2019/1/15 20:59:34)

!嗚呼、でもそんなことを後悔してももう遅い。   (2019/1/15 20:59:52)

!「珍しいじゃねーの、手塚ァ」唐突に聞こえた声にぴたりと動きが停止する。そんな俺をお構いなしに覗きこんでくるのは、よりによって跡部だった。   (2019/1/15 21:00:53)

!お前が眼鏡外してるトコなんて初めて見たぞ、と皮肉気に笑みを浮かべる、その碧紺の双眸に視線が引き寄せられる。   (2019/1/15 21:01:47)

!00:00:28   (2019/1/15 21:02:10)

!___あまりにも小さいその数字に目を疑った。   (2019/1/15 21:02:49)

!残り、28日。何度見てもその数字が変わることはなかった。ああ、運命のなんと残酷なことか。   (2019/1/15 21:06:04)

!凍てついたように立ちすくんでいる俺に、跡部が訝しげな表情を浮かべて視線を投げかけてくる。   (2019/1/15 21:06:47)

!「アーン?何固まってんだ」   (2019/1/15 21:06:54)

!彼の寿命。残り、28日。   (2019/1/15 21:07:21)

!「人の寿命が見える手塚と寿命残り一カ月の跡部の塚跡。」   (2019/1/15 21:07:36)

!1   (2019/1/15 21:07:39)

!俺は生まれつき人の寿命を見る事が出来る。他人の瞳に、残り時間のタイマーが透けて見えるのだ。もっとも鏡越しだったり物を通してみることは出来なかった為、自分の寿命だけは知ることはなかったが。眼鏡はそれを見ないようにするために掛けていた。だから眼鏡に度は入っていない。それを知るのは俺の家族だけだった。それなのに。__俺としたことが油断していた。まだ朝も早いし、どうせ誰も来ないだろうと思ったのだ。だからといって眼鏡を置いておくべきではなかったのだと、今なら過去の自分を問い詰める。誰が入ってくるかもわからなかったのに、まさに慢心とでもいうべきか。 嗚呼、でもそんなことを後悔してももう遅い。「珍しいじゃねーの、手塚ァ」唐突に聞こえた声にぴたりと動きが停止する。そんな俺をお構いなしに覗きこんでくるのは、よりによって跡部だった。お前が眼鏡外してるトコなんて初めて見たぞ、と皮肉気に笑みを浮かべる、その碧紺の双眸に視線が引き寄せられる。   (2019/1/15 21:08:43)

!26  ___あまりにも小さいその数字に目を疑った。何度見てもその数字が変わることはなかった。ああ、運命のなんと残酷なことか。凍てついたように立ちすくんでいる俺に、跡部が訝しげな表情を浮かべて視線を投げかけてくる。「アーン?何固まってんだ」彼の寿命。残り、28日。   (2019/1/15 21:15:01)

!残り26日です(ブチギレ)   (2019/1/15 21:15:11)

!ふふふふふふふふっふっふふふふ   (2019/1/15 21:15:38)

!みsyじゅdtyん   (2019/1/15 21:15:44)

!     (2019/1/15 21:18:10)

!にゃなやあああ   (2019/1/15 21:22:13)

!何語?(正気に返る)   (2019/1/15 21:22:23)

!    (2019/1/15 21:22:25)

!2   (2019/1/15 21:22:27)

!目の前で白い手がひらひらと焦点を合わせようかとするように振られて、ようやく我に返った。   (2019/1/15 21:23:19)

!「あ、とべ」ともすれば震えそうになる語尾を呑みこんで、きわめて平常な振りをする。「何だ?」「お前、具合が悪かったりしないか」ひどく唐突で脈絡のない、俺の発した質問に案の定跡部は目を丸くした。「は?何だやぶからぼうに。…まあ、言われてみれば此処最近風邪気味かもな。まさかお前に気取られるとは思わなかったが、あとで医者でも呼びつけておくぜ」   (2019/1/15 21:28:13)

!ふっと片頬で微笑んでみせた跡部の言葉尻に被せるように口を開く。「今日は休め」否、考えるより先に言葉が出たと言った方が正しい。此れ以上跡部の瞳の数字を見ることが耐えられなくて、誤魔化すように眼鏡を掛けた。はは、と彼の笑う声がする。   (2019/1/15 21:31:05)

!「手塚。お前が何を心配してるのか知らねーが、生憎俺様は風邪に負ける程柔じゃねえぞ」不敵な笑みを湛えたままそう言ってのけた彼は、自分のロッカーを開けてタオルとジャージの上着を取り出す。それをぱさりと羽織ると、俺の様子など歯牙にもかけない様子で戸口へと颯爽と歩いていった。しかし、外に出る直前でくるりと突然振り向く。「今日はお前との試合も入ってる。精々楽しみにしやがれ」くい、と顎を上げて言いたいことだけ言い放つと、俺の返事も聞かずに外へと出ていってしまった。一方、俺はと言えば、まだ先程の数字を信じたくなくて呆然と其の様子を眺めていた。   (2019/1/15 21:34:27)

!漠然とした不安を感じながらも、自分のロッカーからタオルを取り出すと、それを片手にコートへと向かう。   (2019/1/15 21:35:00)

!    (2019/1/15 21:35:06)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/15 21:37:03)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/17 21:07:42)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、さんが自動退室しました。  (2019/1/17 21:55:23)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/17 23:33:25)

おはよう   (2019/1/17 23:33:30)

改変にも程があるよねって話です   (2019/1/17 23:36:17)

2   (2019/1/17 23:36:20)

じゃねえな   (2019/1/17 23:36:23)

3   (2019/1/17 23:36:25)

ぱかぁん、とボールがラケットに当たる小気味の良い音があちこちに響いている。此のコートもその例には漏れず、俺は跡部とネット越しに相対していた。先程のことがなかったかのようにスムーズに試合が始まる。しかし、打ち始めて直ぐに跡部の異変に気付いた。いつもならば余裕に追いつけるであろうボールに追いつけていない。打球もまた、彼にしては弱弱しいものだった。それでも試合を中断させてくれと言いだす気配は全くない。審判に申請しようかと思い始めた辺りで、跡部のサーブの番になってしまった。投げ上げられた黄色のボールが高く上がって、跡部がラケットを振り被ろうとした瞬間、まずいと俺は直感的に感じた。ふっ、と彼の身体が糸の切れたマリオネットのようにゆっくりとバランスを傾けて崩れ落ちていく。ラケットがからんと音を立てて落下し、行き場を失ったボールがネット際に転がる。 「跡部!!」名を呼ぶのと駆け寄るのは殆ど同時だった。   (2019/1/17 23:37:08)

荒い呼吸を繰り返す彼の身体に触れると、火傷してしまいそうなほどに熱い。苦痛に耐えるように眉根にぎゅっと皺を寄せているその容態は、素人目に見てもかなり良くないことは容易に推測出来た。反対に言えば、素人目でも分かってしまう程彼の容態は悪かったということだ。もっとあの時強く引きとめておけばよかった、なんて深い後悔に蝕まれる。ふと、彼が薄らと深青の双眸を開いて此方を見た。微かに口許が動いているのに気付いて、「何だ」と耳を寄せようとしたところで、ようやく走ってきたコーチらに退かされてしまう。遠くから救急車のサイレンが聞こえる。人垣の隙間から覗いていた跡部の白い手が見る見る間に担架に乗せられて運ばれていくのがちらりと見えた。俺は、その様子を半ば呆然としながら眺めていた。ただひたすら、脳裏で彼の口元の動きをなぞっている。――一体、お前は何と言ったんだろう。   (2019/1/17 23:41:03)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/17 23:41:08)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/17 23:44:32)

  (2019/1/17 23:44:37)

結局、跡部は合同合宿が終わる日まで姿を見せることはなかった、余程悪いのだろうか、いや大事を取って休んでいるのでは、などとあちこちで心配する声が上がっている。青学の面々ですらそうなのだから、部長が不在である氷帝はもっと心細いことだろう。どうやら忍足と向日がなんとか指揮をとっているようだが。それでも払いきれない重い雰囲気に息が詰まってしまいそうだった。目を瞑るたび、深青の中の二八、という数字がちらついた。 今もまだ彼の発した言葉は分からないままだ。   (2019/1/17 23:44:40)

(閑話休題)   (2019/1/17 23:44:47)

「榊先生」バスに乗り込もうとしていた氷帝の顧問に声を掛ける。個人的にはほとんど、というどころか言葉を交わしたかどうかの記憶すら危うい。そんな俺に話しかけられた先生は、ほんの僅か意外そうな色を表情に滲ませて振り返った。 「何か用かな」と首を傾げて尋ねる相手に、おもむろに口を開く。「跡部君の居る病院を、教えてはもらえませんか」まっすぐ視線を合わせて言いきる。どうやら相手は少なくとも冷やかしではないと判断してくれたらしい。教えることは出来ないという言葉の半分まで言いかけてから、ゆっくりと縦に頷いた。他言することのないように、との注意付きではあるが、先生はさらさらとメモに住所らしき文字列を書き連ねていく。ピッ、とちぎった紙片を受け取った俺は頭を下げた。「ありがとうございます」頭を上げると、行ってよし、というように視線をバスの中へと戻した先生が視界に入る。右手の紙片をぎゅっと握りしめたままその場をあとにした。   (2019/1/17 23:51:10)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/17 23:51:48)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/21 21:10:28)

!5!!!!   (2019/1/21 21:10:36)

!「それで?わざわざこんなとこまで来たっつー訳か」 全てが白い病室の中、ベッドで上体を起こしたまま跡部がふんと鼻を鳴らす。窓際にセンス良く活けられた薔薇の赤だけが綺麗に映えている。そうだ、と頷いた。久方ぶり、といえどもほんの三日ぶりだが、彼の姿は少しだけ痩せたように見えた。「体調は大丈夫なのか」と問うた俺の視線に気付いたのか、苦々しげな表情を浮かべる。「大丈夫に決まってんだろうが。ただ此処から出してもらえねーだけだ」周りが何も教えてくれないから退院出来る日がわからないのだと彼は言った。返せるような言葉が見つからなくて俺は口をつぐむ。跡部は涼やかな目元を少しだけ細めたまま窓の外へと視線を流した。ブラインドから覗くのは青く晴れた空、眩しい日射しが射し込んでいた。水底にも似た沈黙が部屋を満たす。 しばらくして、彼の通る声が静寂を区切った。 「手塚」「…なんだ」俺は一拍置いてから伏せていた眼差しを上げた。 「倒れたときからお前に聞きたかったことがある」 ひどく静かな深青色が此方を見詰め返していた。 「お前、何が見えてる」   (2019/1/21 21:10:48)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/21 21:10:50)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/24 22:01:06)

!その言葉にはっと胸を衝かれる。真正面から切り込むような彼の問いが、自分の瞳のことを示唆していることは明白だった。言葉を探す為に彷徨わせた視線が彼の視線とぶつかる。信じてはもらえないのではないかという危惧と、友人を失いたくないという思いが返答を躊躇わせていた。「…何故、そう思う」ようやく口から出た言葉は少し掠れていた。問い返すのは、彼の問いを認めているようなものだ。跡部は何もかもを見透かしたかのように勝気な笑みを浮かべる。「アーン?俺様に眼力で勝とうなんざ百年早いぜ」__嗚呼、確かにその通りだ。その言葉がすとんと腑に落ちた。きっと何を言っても、どう繕っても、目の前の男は全てを見通すのだろうと思った。否、理解した。すぅ、と大きく息を吸う。   (2019/1/24 22:01:36)

!「何を言っても信じてくれるのか」「勿論」「…寿命。俺に見えているのは、人の寿命だ」視界の端に、跡部が驚いたように双眸を見開くのが映った。平常に努めた表面の内側では痛いほど心臓が鳴っている。こんな何処かの小説にありそうな話なんて、とうてい信じてもらえないものだということくらいは分かっていた。俺は息を詰めたまま目を伏せる。懸念はそれだけではなかった。彼は、ずば抜けて頭が良い。俺が態々此処に来た意味、試合前に心配をした理由、あの時口にした言葉、そのすべてから彼は自分の寿命を察してしまう。それが何よりも怖かった。   (2019/1/24 22:01:51)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/24 22:02:14)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/24 22:19:30)

!彼の声が目を伏せたままの自分の耳を打った。「それで?」「…は?」「それがどうした。生き物は皆いつか死ぬ。それが早いか遅いか分かるだけだろうが。たとえ俺が人より短かったとしても、俺は俺だ」透徹した眼差しを背けも逸らしもしないまま、何でもないことかのように言ってのける彼に思わず言葉を失う。全てを見透かした上で、まだそれを言える強さ。「…死ぬのが、怖くないのか」「そりゃ怖いに決まってる。まだテニスだってやりてーし、したいことは山程あんだよ」白いシーツの上で握りしめられた彼の手は微かに震えていた。それでも、彼は気丈に笑う。「やりたいことをやらせてもらう。残り時間を教えろ、手塚」   (2019/1/24 22:19:42)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/24 22:19:45)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/24 22:39:49)

!一週間目はあっという間に過ぎていった。跡部は氷帝の部員らにもうすぐ死ぬと宣言したらしい。冗談ではない雰囲気に、疑う者、愕然とする者。反応は様々だったようだが、きっと根底では薄々理解していたのだろう。いつも通りにと彼が望んだから、何でもない風を装っているらしいがあれではバレバレだと跡部は電話越しに苦笑していた。残り、17日。 二週間目もすぐさま過ぎていってしまった。何故か立海にまで知れ渡っていて、幸村からは病院であると助かるものをこまごまと几帳面にまとめたメールが送られてきた。今は必要ないかもしれないけど手塚ならもしものとき上手く利用してくれるだろう、なんて添えられた控えめな文言からは幸村らしい気遣いが溢れていた。跡部に代わって感謝の言葉を綴りながら、跡部はこんなにも愛されているのだな、とふと考える。残り、10日。   (2019/1/24 22:40:35)

!三週間目。跡部は休憩することが多くなったと忍足から連絡があった。「彼奴、そないなことだけ教えたがらんやろ?強情っぱりでほんま困るわ」辛い時くらい言うたらええのになぁ、と電話越しに小さく呟く声が聞こえた。それなら忍足から言えば良いだろう、と提案するとにべもなく「ないわ」と即答が返ってくる。「手塚が言うくらいやないと聞かへんわ、跡部は」残り、3日。   (2019/1/24 22:40:42)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/24 22:40:45)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/1/24 22:50:09)

!四週間目。部活でウォーミングアップをしていると、突然竜崎先生が切羽詰まった表情で走ってきた。「手塚、冷静に聞けよ。跡部が倒れたそうだ」それを聞いてがん、と頭を思い切り殴られたような気がした。覚悟していた筈なのに、心臓がどくりと嫌な音を立てて跳ねる。「幸い意識はあるそうだ。先方からお前に来てほしいと_」「行きます。先生、あとはお願いします」反射的に声が出た。制止する声も驚いたような声も全て振り切って、ジャージのまま学校を飛び出し、街路樹のある道を駆け抜ける。冷たい風が肺を刺すようで息が苦しい。乱れた呼吸を宥めながらスピードを上げる。走る速度がやけに遅く感じられてひどくもどかしかった。自分でもよく分からないくらい必死になっていて、それでも急がなければいけないことを理解していた。嗚呼、それは。それは、彼に伝えなければならないことがあるからだと、ようやく気付いた。   (2019/1/24 22:50:24)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/1/24 22:50:30)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/27 22:42:11)

「跡部!!」息を切らせながら飛び込んだ病室は相変わらず一面の白に覆われていた。その中で横たわっている跡部は何故か小さく見えて。長い睫毛に縁取られた深青がゆっくりと此方を向く。彼が何かを発するよりも先に口を開いた。「─好きだ」力を込めてはっきりと言い放った声は、静かな病室にやけに大きく響いた。その響きが途切れると一瞬、耳に痛い程の静寂に覆われる。はは、と笑う声がした。見ると、いつの間にか上体を起こした彼が肩を揺らして笑っていた。 「ッたく、えらく遅いじゃねーの、手塚。すっかり待ちくたびれたぜ」ようやく自分の気持ちに気付いたか、と彼は鼻を鳴らす。「…よりによって、こんなザマのときに言われるとは思わなかったがな」 すまない、という言葉は自然と口から零れ落ちた。ああ、本当に。彼の言うとおり、どうして今になってようやく気付いたのだろう。「今、言わないときっと一生後悔すると思ったんだ」懸命に言葉を探す。この気持ちを、この思いを、この感情を、一番彼に届けられる言葉はなんだ。   (2019/1/27 22:42:25)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/27 22:42:32)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/27 22:48:39)

「跡部!!」息を切らせながら飛び込んだ病室は相変わらず一面の白に覆われていた。その中で横たわっている跡部は何故か小さく見えて。長い睫毛に縁取られた深青がゆっくりと此方を向く。彼が何かを発するよりも先に口を開いた。「─好きだ」力を込めてはっきりと言い放った声は、静かな病室にやけに大きく響いた。その響きが途切れると一瞬、耳に痛い程の静寂に覆われる。はは、と笑う声がした。見ると、いつの間にか上体を起こした彼が肩を揺らして笑っていた。 「ッたく、えらく遅いじゃねーの、手塚。すっかり待ちくたびれたぜ」ようやく自分の気持ちに気付いたか、と彼は鼻を鳴らす。「…よりによって、こんなザマのときに言われるとは思わなかったがな」 すまない、という言葉は自然と口から零れ落ちた。ああ、本当に。彼の言うとおり、どうして今になってようやく気付いたのだろう。懸命に言葉を探す。この気持ちを、この思いを、この感情を、一番彼に届けられる言葉はなんだ。「今、言わないときっと一生後悔すると思ったんだ」   (2019/1/27 22:49:03)

顔上げろ、という彼の声に縋るように視線を上げる。視線の先の深青は何よりもうつくしく透き通っていた。 「なんでお前が謝る?……ああ、でもちょっとだけ、」死ぬのが惜しくなった。彼は、そう呟いた。   (2019/1/27 22:49:06)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/27 22:49:09)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/1/30 23:08:43)

真っ青に澄みきった空に細く雲がたなびいている。あれからもう10年もの月日が経った。久しぶりにちゃんと見上げた空が綺麗な青色で、よく似ていた彼の瞳のことを思い出していた。 遠い故郷、日本に思いを馳せながらも入念にストレッチを行う。俺が彼に思いを告げてから二日後、跡部は微睡むように息を引き取った。派手好きだった彼にしては、呆気ないほど静かで穏やかな最期。それを、俺は恋人として看取った。不思議なことに涙は一滴すらも出なかった。ただ、ぽかりと胸に大きな穴が開いた気持ちがした。 彼がいなくなってから、心の隅に出来た隙間を埋めるように一層テニスに打ち込んだ。その結果、プロテニスプレイヤーとして世界各国で活躍するようになったのだ。今まで色々な相手と対戦してきたが、彼のゲームより心躍る試合には出逢えていない。それは不幸というべきなのか、幸運だったというべきなのか。物思いを振り切るようにしてラケットバッグを背負って立ち上がる。   (2019/1/30 23:09:32)

「ケイゴ!」軽やかな女性の声が耳を掠めた。何度も何度も噛み締めたその名前に、弾かれたように振り向く。 どくん、と鼓動が脈打った。 10歳程の少年だろうか。柔らかそうな鈍い金色の髪。今日の空の色にそっくりな色の双眸。 まだ少年らしさを残すあどけない輪郭に勝気な笑みを湛えて少年は口を開く。「なあ、テニスの相手してくれよ。強いんだろ?」──嗚呼、お前はまた逢いに来たのか。わざわざこんな遠い異国の地で。全く同じ言葉で。同じ色の瞳で。同じ笑顔で、そう言うのか。 少年の後方から駆け寄ってきた少年の母親らしき女性が謝るのが視界の端に映る。ぽた、と水滴が地に落ちた。少年が怪訝そうに此方を見る。大丈夫ですか、と女性に控えめな声を掛けられてから、ようやく自分の頬がひどく濡れていることに気付いた。跡部が亡くなったときですら泣かなかった俺が、恥ずかしいくらい大人げなく泣いていた。真っ直ぐに視線を向けてくる少年に、きみは大切な人によく似ていると呟いた。その意味はきっと伝わらないし、伝わらなくたって良い。   (2019/1/30 23:10:26)

案の定、不思議そうな表情を浮かべる少年の頭を撫でた。 「大丈夫です。心配を掛けてしまってすみません、少し取り乱しました」 滲む視界を荒く拭いながら親子に頭を下げた。すっとしゃがみ込むと、深青色と視線を合わせる。 「…いつか、試合をしよう」約束を結ぶように指切りをする。それは、彼と果たせなかった約束。 もう一度深々と頭を下げた俺に、親子は手を振って帰ってゆく。陽に透けて煌めく金髪に思わず目を眇めた。 「お帰り、景吾」   (2019/1/30 23:19:36)

おしらせさんが退室しました。  (2019/1/30 23:19:38)

おしらせきりぴさんが入室しました♪  (2019/2/3 09:36:21)

おしらせきりぴさんが退室しました。  (2019/2/3 09:36:41)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/6 23:49:16)

寝惚けがすげえな   (2019/2/6 23:49:35)

「はぁ…ったく、仕方ねーな(年齢に似つかわしくないほどあどけない笑みを向けられてはふすりと息を吐いた。今日の任務が些か骨の折れるものであったことは重々承知していたし、だからこそ純粋な戦闘力という面ではこの組織のトップを張る彼を向かわせたのだから。容赦ないほどの力で抱きすくめられると少々息苦しいのだが、仕方あるまい。)」   (2019/2/6 23:54:24)

(さしずめ我らがボスからの報酬はいつもと変わらないのだろうからこれくらいサービスするのもやぶさかではない。10代の頃は優に勝っていた彼との身長さはいつの間にかなくなっていた。こうして抱き締められるとそのことを痛感する。)   (2019/2/6 23:56:58)

甘い声で名前を呼ばれると物思いに沈んでいた思考がふっと浮上する。どうかしたかと問うように顔を向けようとした矢先に耳を甘噛みされれば、予想していなかった刺激にびくっと肩が跳ねた。)ッ……ジロー、分かってると思うが、此処は事務所だぞ(流石にそこまで節操がないと思っている訳ではないが、念のために釘を刺した。なんて、とっくの昔に仕事のことを忘れている自分が言えた義理でもない。微かに苦笑を浮かべた。)   (2019/2/7 00:07:13)

そのことに気づけば…   (2019/2/7 00:07:38)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/7 00:07:42)

おしらせ!さんが入室しました♪  (2019/2/11 00:08:25)

!ぼくにはもうわかりません   (2019/2/11 00:08:35)

!(イギリスだと仮定する) 「ねえ、クラウザー」 部屋で母国から持ってきた本をぱらぱらと捲っていると不意に背後から声が掛かる。 自分より少しだけ高い、ジャポネの少年の声を視線で辿るように顔を上げた。 「リョーマ。どうかしたのか?」 「あのさ。ファミリーネーム呼び堅いし、ファーストネームで呼んで良い?」 唐突な問いに驚く。その感情が表情に出ていたか、目の前の少年はふっと笑った。 「そんなに驚かないでよ。ていうか、クラウザーも俺のことファーストネームで呼ぶじゃん」 言われてみれば其の通りなのだが。 「別に構わない。好きに呼ぶと良い」 「良かった。じゃあ改めて宜しく、リリィ」   (2019/2/11 00:08:48)

!Lily。小さい頃、母親に呼ばれていた記憶が朧気に蘇る。今では女っぽいと周りからからかわれるのが嫌で辞めてもらったのだが、彼の口から発せられた其の言葉は新鮮な響きを帯びて聴こえた。何だか悪くない。そう思えた。   (2019/2/11 00:12:07)

!「ああ。こちらこそ、リョーマ」   (2019/2/11 00:12:18)

おしらせ!さんが退室しました。  (2019/2/11 00:12:24)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/12 23:55:35)

きらきらと日の光に透けて煌めく髪が印象的だった。人工的な色ではない、自然的な美しさ。だからこそ目を奪われたのかもしれない。瞳を閉じても脳裏に浮かぶような艶やかな金色。触れてみたいと思った。多分、それが此の気持ちに気付いた最初の出発点。   (2019/2/12 23:55:46)

違和感のない英語だった。ジャパニーズイングリッシュ、とも称される東洋の訛りが、彼の語り口には感じられなくて驚いたものだった。日本に帰化したとはいえ、殆ど英語しか話す事の出来ない自分に話しかけてくるのなんて彼くらいで。「クラウザー」と呼ぶあの声が、何故だか無性に恋しい。   (2019/2/12 23:55:55)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/12 23:55:57)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/16 16:59:42)

ふんわりと甘い匂いが鼻先を掠めた。おや、と思ってからふと今日がバレンタインであることを思い出す。 ─ああ、なるほど。目の前の彼女がほんのりと頬を染めている理由が分かった。可愛らしい包みを差し出した彼女が何かを言いだす前に、それをひょいと受け取る。慌てたように美味しくなかったらごめんね、と付け足す彼女に「大丈夫だよ」なんてお決まりの言葉を被せた。しゅるりとリボンを解いた中から出てくるのは艶々としたチョコレート。指先で1つ摘まんで口に入れるとじんわりと甘さが広がっていく。 「うん、美味しい。さすがだね、ありがとう」素直な感想を溢すと、彼女の緊張した表情が目に見えて緩んだ。 そんな彼女の分かりやすくて、ひたむきなところが自分は好きで。抱き寄せると驚いたように此方を見上げる。取り敢えずのお礼、だなんてのはただの口実だ。彼女のチョコレートと同じ、甘い甘い口付けを落とした。   (2019/2/16 16:59:55)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/16 16:59:58)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/16 17:30:37)

「今日は先に帰りんしゃい、って言わんかったか」 部活を終えて、すっかり暗くなってしまった空の下、校門を出た瞬間に真っ先に目に付いたのは彼女の姿だった。 寒さに赤く染まった手を擦り合わせている彼女は此方に気付いたか、花の咲くような笑顔を浮かべる。 今日は遅くなりそうだからと先に伝えていた筈なのだが。そう思いながらカイロを放り投げると彼女はそれを受け取りながらも困ったような笑顔になる。ごめんね、分かってたんだけど一緒に帰りたくて。彼女は白い息を吐いてそんな言葉を紡ぐ。 「…おまんには敵わんぜよ」 どうしようもなく口許が緩んだ。コート上のペテン師と謳われる自分でもこれでは形無しだ。 思わず口から零れ出た呟きに彼女が不思議そうに顔を覗き込んでくる。 俺はなんでもないと言いたげにそっぽを向いて、照れ隠しに彼女の髪をぐしゃぐしゃと撫でた。   (2019/2/16 17:31:13)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/16 17:31:16)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/16 23:52:39)

サァ、と爽やかな五月の風がカーテンを揺らした。深呼吸を1つして、まだ真っ白なキャンパスに慎重に色を乗せていく。 立海の黄色、空の青色、テニスコートの緑色。自分の大切なものをひとつひとつ、丁寧に。 不意にがらりと扉を引き開ける音が耳に飛び込んだ。少なからず驚いて扉の方に視線を向けると、同じくらい驚いた瞳が此方を見詰めている。「何か取りに来たのかい?」ふっと微笑みかけると、ようやく我に返ったらしい彼女は、自分の作品を取りに来たのだと言った。聞けば、美術部の二年の部員らしい。 「部員でもないのに、勝手に美術室に居座ったりして悪いことをしてしまったね」随分と気まずい思いもさせてしまったことだ。それも含めて謝ると彼女は、いえ、ともはい、ともつかない中間のような返事をした。其の様子がどうにも可笑しくて密やかな笑みを溢すと、つられたように笑った彼女の横顔が視界に入る。その笑顔に胸が鳴ったような気がしたのは、気の所為だろうか。   (2019/2/16 23:53:15)

    (2019/2/16 23:53:18)

『銀髪の男は、』紙面に躍らせたペン先は気付けばそう書いていた。まだ大半が真っ白の原稿用紙に、乾き切っていない黒のインクで書かれた其の文字がてらりと光を反射する。無意識に描写してしまうほど、自分はまだかつての恋人を忘れられていないようだ。そんな自分が時々酷くいやになる。知らず知らずの内に口許に苦い笑みが浮かんだ。一言、出だしだけが書かれたその原稿用紙を手に取ると真っ二つに引き裂く。それを重ねてもう一度、さらに重ねてもう一度。すっかりばらばらの紙片と化した其れを放り投げた。嗚呼、紙片が空に散る、視界が白に染まる。その白の奥に彼の姿が見えた気がして、手を伸ばした。しかし所詮それは幻想で伸ばした手は空を切る。何も掴む事が出来ないまま地に落ちた自分の手は、何も救えなかった自分を表しているようでどうにも虚しい。自分のことを参謀と呼ぶあの悪戯気な声が恋しかった。君はもう、此の世にはいない。   (2019/2/16 23:53:36)

    (2019/2/16 23:53:43)

ヒェROMさんなに   (2019/2/16 23:53:47)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/16 23:54:59)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/19 22:00:03)

廊下を歩いていると、教室の前で自分の名を呼ぶ彼女の姿が視界に入る。その様子からすると、丁度自分のことを探していたようだ。「呼びましたか」彼女の肩にそっと触れると、分かりやすく驚いた表情を浮かべて此方を振り向く。その手に持っているのは綺麗にラッピングされた薄紫の包み。そんな彼女の視線が自分の右手の方に移動したかと思うと表情が見るからに曇った。己の右手にあるのは煌びやかに包装された包みがぎっしり入った紙袋だった。彼女の気持ちが手に取るように分かって、ふっと笑みを溢す。「なんて顔してるの。甲斐クンと平古場クン宛てのものですから安心しなさいよ」君以外の女性から貰う筈がないでしょ。そんな言葉を笑み交じりに吐くと、空いている手で彼女の手からその包みをそっと取り上げた。様子を窺うように俯いていた彼女が紅く染まった顔を上げる。ほっとしているようで嬉しそうなその様子がどうにも愛おしくて、額にそっと口付けを落とした。   (2019/2/19 22:00:31)

廊下を歩いていると、教室の前で自分の名を呼ぶ彼女の姿が視界に入る。どうやら丁度自分のことを探していたようだ。「呼びましたか」彼女の肩にそっと触れると、分かりやすく驚いた表情を浮かべて此方を振り向く。その手に持っているのは綺麗にラッピングされた薄紫の包み。そんな彼女の視線が自分の右手の方に移動したかと思うと表情が見るからに曇った。己の右手にあるのは煌びやかに包装された包みがぎっしり入った紙袋だった。彼女の気持ちが手に取るように分かって、思わずふっと笑みを溢れる。「なんて顔してるの。全部甲斐クンと平古場クン宛てのものですから安心しなさいよ」君以外の女性から貰う筈がないでしょ。そんな言葉を笑み交じりに吐くと、空いている手で彼女の手からその包みをそっと取り上げた。俯いていた彼女が様子を窺うように、紅く染まった顔をそろりと上げる。ほっとしているようで嬉しそうな彼女の表情がどうにも愛おしくて、額にそっと口付けを落とした。   (2019/2/19 22:02:17)

ナンデ?(キレた)   (2019/2/19 22:02:22)

廊下を歩いていると、教室の前で自分の名を呼ぶ彼女の姿が視界に入る。どうやら丁度自分のことを探していたようだ。「呼びましたか」彼女の肩にそっと触れると、分かりやすく驚いた表情を浮かべて此方を振り向く。その手に持っているのは綺麗な薄紫の包み。そんな彼女の視線が自分の右手の方に移動したかと思うと表情が見るからに曇った。己の右手にあるのは煌びやかに包装されたものがぎっしり入った紙袋だった。彼女の気持ちが手に取るように分かって、思わずふっと笑みを溢れる。「なんて顔してるの。全部甲斐クンと平古場クン宛てのものですから安心しなさいよ」君以外の女性から貰う筈がないでしょ。そんな言葉を笑み交じりに吐くと、空いている手で彼女の手からその包みをそっと取り上げた。俯いていた彼女が様子を窺うように、紅く染まった顔をそろりと上げる。ほっとしているようで嬉しそうな彼女の表情がどうにも愛おしくて、額にそっと口付けを落とした。   (2019/2/19 22:02:54)

廊下を歩いていると、教室の前で自分の名を呼ぶ彼女の姿が視界に入る。どうやら丁度自分のことを探していたようだ。「呼びましたか」彼女の肩にそっと触れると、分かりやすく驚いた表情を浮かべて此方を振り向く。その手に持っているのは綺麗な薄紫の包み。そんな彼女の視線が自分の右手の方に移動したかと思うと表情が見るからに曇った。己の右手にあるのは煌びやかに包装されたものがぎっしり入った紙袋だった。彼女の気持ちが手に取るように分かって、思わずふっと笑みが溢れる。「なんて顔してるの。全部甲斐クンと平古場クン宛てのものですから安心しなさいよ」君以外の女性から貰う筈がないでしょ。そんな言葉を笑み交じりに吐くと、空いている手で彼女の手から包みをそっと取り上げた。俯いていた彼女が様子を窺うように、紅く染まった顔をそろりと上げる。ほっとしているようで嬉しそうな彼女の表情がどうにも愛おしくて、額にそっと口付けを落とした。   (2019/2/19 22:03:36)

コウデハ?!?!?!??!   (2019/2/19 22:03:42)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/19 22:03:44)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/2/26 21:01:22)

すみか ファンファーレ 「夜を越えて 闇を抜けて 迎えにゆこう 光る朝も 雨も虹も 今から全て迎えにゆくよ」謙光?   (2019/2/26 21:01:42)

「此処におったんか、手塚クン」 よく通る声が鼓膜に触れた。ベンチに座っていた俺は上半身だけ後ろに振り向いた。 「…白石」 「えらい怖い顔して出ていくからつい、な」   (2019/2/26 21:01:52)

おしらせさんが退室しました。  (2019/2/26 21:01:55)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/2 22:52:26)

マキシマムザホルモン「絶望ビリー」   (2019/3/2 22:52:39)

MADKID   (2019/3/2 22:52:42)

春が近付いているせいか、開け放たれた窓から入る風は少し温い。 借りていた本が返却期限すれすれだったことを思いだして向かった先は図書室。 音を立てないように扉からそっと滑り込むと、窓際で参考書を広げたままうたた寝をしている彼女の姿が目に付いた。 試験が近いからきっと勉強していたのだろう、微かに残る隈の跡からは彼女の努力が窺えた。 起こしてしまうのも忍びなくて、彼女の前の席にそっと腰掛けて本をぱらぱらと捲る。 静かな図書室に時計の針が進む音だけが響いて、ゆっくりゆっくり時間が過ぎていく。 不意に強い風が外の木々を揺らしてざわりと音を立てた。それに驚いたようにぴくりと彼女の肩が動いて、伏せられていた睫毛がゆっくりと持ち上げられて眠そうな双眸が瞼の下から覗く。   (2019/3/2 22:53:22)

まだ眠そうな彼女がどうにも愛おしくて、「おはよう」だなんて笑み交じりの声を掛けた。眠そうな顔は直ぐに驚いたような表情になった。その変化がどうにも面白くて肩を揺らす。しどろもどろといった様子で頬を染める彼女の頭に手を伸ばして柔らかな髪をそっと撫でた。反射的に瞑られた瞳がおそるおそる此方を見上げて、そんな彼女に微笑みかける。「涙愛の努力が報われますように、っておまじない」   (2019/3/2 22:53:34)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/2 22:53:38)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/5 20:17:58)

「ねえ、緊張してる?」役所の待合室のベンチで、隣に座る彼女の横顔に話しかけた。話しかけられてはっとしたような表情で彼女は此方を振り向く。その表情はすぐ苦笑に変わって、そんな風に見えるかなとはにかんだ。 少しだけね、と笑いかけてから、手を伸ばして彼女のしなやかな手指に指を絡ませる。よく手入れされている彼女の手はすべすべとして触り心地が良かった。ふと会話が途絶えて、辺りの密やかな喧騒が身体を包む。その沈黙を破ったのは俺の方だった。 「藍と結婚出来ることになって、本当に良かった」 独り言にも似た言葉を呟いて、夢を見るように瞳を閉じて微笑んだ。 「これから君といろんなところに行きたいなぁ。美味しいホットケーキを食べに行こう。それから、小さくても良いから二人だけの家を建てて、いっぱい植物を育てたいな」君となら、きっと全部叶えられるから。 ゆっくりと瞳を開いた。目の前の彼女の瞳は少し潤んでいるように見えたのは、気のせいだろうか。   (2019/3/5 20:18:51)

うん、としっかり頷く彼女がどうしようもなく愛おしくて、絡ませていた手をそっと解くと彼女のストロベリーブラウンの髪に手を伸ばして、壊れ物を扱うようにそっと撫でた。受付で名を呼ぶ声がする。行こうか、と立ちあがって大きく一歩を踏み出した。   (2019/3/5 20:18:54)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/5 20:19:06)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/7 14:43:19)

「跡部~」 気の抜けた声で名前を呼ばれた。 生徒会の仕事がどうしても終わらなくて、部活後に部室で書類を広げていた矢先のことである。 皆も既に帰ってしまっている時間で、残っているのは自分と、下校時刻に起こしても起きなかった彼だけだった。 何だ、と目線は書類に落としたまま生返事をする。それに不服だったのだろうか、突然背中に重みが圧し掛かる。どうやら背中に体重を預けているらしいと気付くのに数秒掛かった。 彼は自分より幾分か軽いとはいえ、立派な中学生男子なのでそれなりに重い。 「…重い」素直にそう呟くと耳元で彼の楽しそうな笑い声がした。 「だって跡部振り向いてくんないC~?あ、そうだ」ねね、口開けてよ。彼は何の脈絡もなくそんなことを要求する。 一体何をされるのやら皆目見当もつかないが、少しだけなら付き合っても良いか、だなんて疲れた脳味噌でそう思った。 一旦ペンを机の上に転がすと彼の方を向いて口を開けた。あげる~、という楽しそうな声と共に口の中に何かが放り込まれる。ころ、と口内で転がったそれは柑橘系の香りと共に甘みが広がった。 「飴か?」そう尋ねると彼はへらりと笑った。   (2019/3/7 14:43:46)

「うん、オレのお気に入り!美味しいでしょ?」 飴が溶けちゃわない内に帰ろ~、と言うと背中から大人しく降りたようだった。どうやら彼なりに自分を励ましてくれたらしい。彼に気遣われてしまうとは自分もまだまだ未熟だ、それでもその不器用な気遣いが嬉しくて、ふっと笑みが零れた。ここまで応援されて頑張らない訳にはいかない。口内の甘さを舌で転がして、ペンを握った。   (2019/3/7 14:44:02)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/7 14:44:05)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/7 18:26:38)

何かに、追われ続けている。暗闇の中、果てのないその先へともがくように走り続けている。 どうして走っているのかもわからなくて、どうして怖いのかも分からなくて、ただ走り続ければいけないということだけは分かっていた。 「…べ、跡部」 何処からか名を呼ぶ声がする。誰かも分からないその声に必死に手を伸ばした。誰でもいい、助けてくれ。その一心だった。 「跡部!」 ばね仕掛けのように勢いよく上体を起こすと、ばさりと毛布が身体から滑り落ちた。首筋に手をやるとひどく冷たい汗が一筋流れていた。一瞬自分が何処に居るかわからなくなって視線を辺りに滑らせる。少しぼやけた視界の中に映るのはよく見慣れた彼の顔。 「大丈夫か?ひどくうなされていた」心配そうに眉を顰めて顔を覗き込んでくる彼に縋るように手を伸ばす。そのまま抱き寄せると彼の首筋に額を預けた。驚いたような様子の彼を痛いほどの力で抱きしめた。「…何かに追いかけられている夢を見た」   (2019/3/7 18:27:21)

噛み締めた歯の合間から絞り出すようにぽつりと呟いた。まだ先程の恐怖に指先が強張っている。それ以上先程の忌まわしい夢についてなど話したくなくて、大きく深呼吸をした。 「…そうか、それは怖かっただろう。もう大丈夫だぞ」 自分より少しだけ高い位置から穏やかな声がして、そっと背中に手を回される。あやすようにゆっくりと背中をさすりながら、彼は大丈夫だと繰り返した。子供扱いをされるのは腹立たしくて仕方なかった筈なのに、その声にひどく安心する。今だけ、今だけは甘えさせて欲しかった。そんな自分の内心を感じ取った訳でもあるまいに、彼が手を離す気配はなかった。 「このまま寝てしまうと良い。俺は、此処に居る」 本当にこの男は、本当に欲しいときに欲しい言葉をくれるのだ。背中をさすりつづけてくれる手が優しかった。 少しだけ。そう決めて、ゆっくりと瞼を閉じた。   (2019/3/7 18:27:36)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/7 18:27:39)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/7 22:32:14)

ぱち、と目が覚めた。眼鏡の無いぼやけた視界の中、目を細めて見た時計の針が差すのは4という数字。 日頃は6時起きを目処としている自分にしてはやけに早い目覚めだった。隣で気持ち良さそうに寝息を立てる彼女を起こさないようにそっと起き上がる。一度起きると中々二度寝が出来ない性分なのだ。 ベッドから滑り降りると、寝間着のままリビングへ向かった。カーテンが下ろされた窓の向こうはまだまだ暗い。 極力音を立てないようにしてコーヒーメーカーに水とコーヒーの粉を放り込む。ふつふつと沸き始めるまでの間、とりあえずカーテンだけ開けて、何をするともなく窓の外を眺めた。不意にぺたぺたと歩く音がした。ゆっくりと振り向くと、そこに立っていたのはまだ少し眠たそうな表情をした彼女だった。 「起こしてしまいました?」 十分物音を立てないようにしていた筈なのだが。そう思いながらも彼女の安眠を妨げてしまったことが心苦しくない訳ではないので、自然と口調に申し訳ない響きが滲んだ。   (2019/3/7 22:32:55)

彼女は気にしないでと言いたげに首を軽く横に振り、私もたまたま起きたので、と矢張り何処か眠たそうな口調で言った。 どうも偶然起きたにしては眠そうなので、恐らく気を使ってくれているのだろう。それ以上言及するのは野暮だろうと言葉は飲み込んでおくことにした。代わりに、そうですか、なんて当たり障りのない返答を返す。 少しだけ静寂の時間が満ちて、一分ほどした頃だろうか。珈琲の出来上がりを告げる電子音が鳴った。 戸棚から色違いのカップを出してトポトポと珈琲を注いだ。   (2019/3/7 22:33:16)

自分の分はブラック。彼女の分はミルクをたっぷり、それから角砂糖を一つ。彼女と同居するようになってすっかり身に染みついてしまった配合だ。 ことりと二つのカップをテーブルの上に置いて、貰いもののクッキーの缶を取り出す。ありがとうございます、と彼女にしては珍しく気の抜けた笑みを見せた。いえいえ、と返しながらも珈琲を一口啜った。同じように珈琲を飲んだ彼女は先程より目が覚めたようで、美味しそうにクッキーを摘まんでいる。 「ねえ、永四郎さん」 「なんですか?」 「たまにはこういうのも、いいですね」 呼びかけに視線を上げた先で、彼女はそう言って微笑んだ。 珈琲色の穏やかな時間がゆっくりと過ぎていく。   (2019/3/7 22:33:19)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/7 22:33:23)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/7 23:21:16)

「…海」 先程まで昼寝していたはずなのだが。唐突にぱちりと目を覚ましたかと思えばそんな脈絡のない単語を口にする。 呆れながらもソファに寝そべったままの彼の顔を覗き込んで、「まだ夢でも見てんのか」と目の前でひらひらと手を振ってやった。 「ちゃんと起きたってば!あとべ、海行こ海」 どうやら彼は本気で言っているらしい。海のシーズンといえば真夏だろうに、生憎と今は3月だ。それに気付いているのか否か、完璧に目覚めたらしい彼はサイドテーブルからスマホを取ると経路を調べ始めた。本当にこいつのやる気ノスイッチはいつだって予測不可能だ。 「バイクで飛ばして30分くらいだって~」暫くして顔を上げた彼は屈託のない笑顔でそう言った。 「…ヘリ出せば良いんじゃねえのか?」 「えー、だってそしたら全然跡部と話せなくてつまんないC~!バイク嫌いなら仕方ないけどさぁ…」 見るからにしゅんとなった彼を見ていると、もし尻尾があったら丸めてそうだな、などという考えが過る。   (2019/3/7 23:21:39)

「別に嫌いじゃねーぜ?ジローがそういうならそっちでいい」 ただし俺様は乗れねえからタンデムになるぞ。そう言うと彼は輝くような笑顔を浮かべた。 「だぁいじょうぶ、任せといて!」 準備しよー、とソファから勢いよく立ちあがった彼は「朝の四時出発ね!」と言い残して部屋を出ていく。   (2019/3/7 23:21:41)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/7 23:21:43)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 11:40:02)

自分はともかく、彼は起きられるのだろうか。そう思いながらもその日は眠りに就いた。 「ちょ-風気持ちE~!」 風を切る音の合間にそんな声がした。すぅ、と胸いっぱいに吸い込んだ空気は潮の香りがする。 辺りはまだ暗い。ヘッドライトだけが道を照らしている。こんな時間帯では車も殆ど通らなくて、道を独占しているようなものだった。 「あ、多分ここらへん!跡部~、降りるから気を付けてね」 忠言のあとに滑らかにブレーキがかかる。その様子からも彼がバイクに乗り慣れていることが窺えた。 手際良くヘルメットを外した彼は防波堤の方に走っていく。跡部も早く~、なんて声が聞こえる。 「前見ねえと転ぶぞ」と叫び返してから追うように歩く。 防波堤の先でぺたりと座りこんだ彼の隣に座って、まだ暗い地平線の向こうを眺めた。 春先とはいえ、海辺の風は冷たい。   (2019/3/8 11:40:15)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/8 11:40:18)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 11:48:40)

春先とはいえ、海辺の風は冷たい。防波堤の先でぺたりと座りこんだ彼の隣に座って、白み始めた地平線の向こうを眺めた。隣で「太陽だ」と彼が呟いた。みるみるうちに太陽のてっぺんがゆっくりと海の上に上がってきて、海から陸へと真っ直ぐに伸びる道を形作った。静かな波に日射しがきらきらと反射していて、眩しくなるほどで。「…綺麗だな」と小さく感想を落とすと彼が笑う気配がした。「夜明けの海、良いでしょ?跡部に見せてあげたかったんだ」   (2019/3/8 11:48:48)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/8 11:48:56)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 11:52:58)

輝く笑顔でそう言う彼は朝日よりもずっと眩しくて、微かに目を細めた。朝日が綺麗だと思えるのも、夜明けの海が好きだと思うのも、きっとお前が居るからだ。それを言葉にする代わりに、彼の額にそっと口付けを落とした。   (2019/3/8 11:53:07)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/8 11:53:19)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 13:53:26)

~迎えに来てくれる王子様~ 〈神尾〉 「迎えに来たぜ!」家の前に自転車で乗り付ける。てっきりロードバイクかと思っていたらまさかのママチャリ。 後ろに乗せたまま安全な河原を走ってくれる。これぞ青春。王道を駆け抜けてくね君は。 〈伊武〉 「早く乗りなよ。…車乗りたいって言ったのきみじゃん」自動車の免許を取ったら一番に乗せてくれる。 彼女がいつか伊武くんの車に乗りたいね~って話してたときから貯金したお金で買った軽自動車(新車)。王子様か?知ってた 〈日吉〉 「迎えに来たぞ。助手席で良いよな」家の前で待ってたら車で来て、ウィンドウ開けて乗るよう促してくる。自分からドア開けてくれたりはしないよ。車運転するときだけ眼鏡掛けてる。う~んギャップ。 〈財前〉 「やっと免許取って一年たったんで二人乗り出来るんすわ」前々から2人乗りしたいと言っていたことを覚えててくれる。 明日晴れるらしいことを事前にちゃんと天気予報で確認してから誘う。そういうとこやぞ財前。   (2019/3/8 13:53:47)

〈遠山〉 「なーなー姉ちゃん!走りに行かへん?」もしかして徒歩…?って聞き返したら自慢げに自動車の免許見せてくる。 びっくりさせたくてサプライズ的に言ってくるタイプと見た。鮮やかなドライブテクニック見せてくれる。かっけえ。 〈越前〉 「海行きたいって言ってたから」突然インターホンが鳴ったかと思えば海デートに誘ってくれる。 車高低めの軽自動車(綺麗な青色〉。慣れてないんだよね、って言いながらも安定感のある運転。惚れた。 〈海堂〉 「ほら、行くぞ」ちょっと荒い口調は照れてるだけって知ってんだぞ。可愛い軽自動車に乗って迎えに来てくれる。 多分母親のとか借りてるタイプ。美味しいご飯を食べに連れてってくれる。かわいいな…… 〈鳳〉 「待ってられなくて迎えに来ちゃいました」はにかみながら迎えに来てくれる。お前が彼女か? あまり目立たない車だけど相当良いやつに乗ってると見た。初心者らしく安全運転を心掛けてくれる。   (2019/3/8 13:54:04)

〈切原〉 「はいこれヘルメット!」ちゃんとつかまっててくださいねって元気よく忠告しながらヘルメット放り投げてくる。 400㏄とかの大きいバイク。中古だけど手入れがちゃんとされてる。二人乗りばんざい。 〈桃城〉 「乗れよ!ちょっと乗り心地悪いかもしれねーけど」満面の笑顔で迎えに来てくれる。 絶対ワゴン車(決めつけ)。1人の時は荒い運転だけど彼女乗せるときはいつもより優しい運転を心掛ける。好き。   (2019/3/8 13:54:13)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/8 13:54:14)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 22:01:08)

謙光   (2019/3/8 22:03:26)

づかあと   (2019/3/8 22:03:31)

じろあと   (2019/3/8 22:03:35)

てづか   (2019/3/8 22:03:36)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、さんが自動退室しました。  (2019/3/8 22:23:47)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 22:43:22)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、さんが自動退室しました。  (2019/3/8 23:36:47)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/8 23:37:04)

くしゅんくしゅん、と立て続けにくしゃみをする音がした。少しだけ驚いて隣を見ると跡部が口元を手で抑えている。 「風邪か?」 此の時期は季節の変わり目である上、昼夜の温度差が激しいから風邪でも引いたのかもしれない。健康管理をきちんとしている彼にしては珍しいことだが。そう思いながらも彼の顔を覗き込んだ。 「…いや、花粉症だ」 眉根に皺を寄せて鼻筋を指先で押さえた彼は不機嫌そうに言い放つ。嗚呼、成程と納得した。花粉症でない己からすると全く関係のないことだが、ニュースでは花粉の飛来がどうのこうのと連日やっていた気がする。そんなことをそこはかとなく考えているとじとりとした視線を向けられた。 「その顔からするに手塚、お前花粉症じゃねーな?」「ああ」   (2019/3/8 23:37:18)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/8 23:37:20)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/9 23:26:17)

飯テロ あとべじろう   (2019/3/9 23:27:11)

てづかはくわなさそう   (2019/3/9 23:27:15)

なんだおまえ…   (2019/3/9 23:27:29)

あとラーメンの話題を唐突に降るじろう   (2019/3/9 23:27:41)

いますね   (2019/3/9 23:27:47)

えへへへあへへ   (2019/3/9 23:27:51)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、さんが自動退室しました。  (2019/3/9 23:48:23)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/10 00:36:12)

「ねえあとべ、死んだらどんな感じがするの」屋上で寝転がりながらそんなことを呟いた。目が痛くなるほど青い空には白い雲がぽっかり浮かんでいる。羊みたいだなー、なんてのんきなことを考えた。   (2019/3/10 00:38:34)

彼が死んでもう一週間が過ぎた、らしい。まったく実感が湧かないまま、自分はこうして過ごしている。変わったことと言えば屋上に来る回数がちょっと多くなったくらいだろうか。   (2019/3/10 00:40:26)

高いとこにいたら少しだけ跡部と近くなるかなぁ、なんて思ったのだ。あの日、今日と同じくらい青く澄み渡った空に   の煙突から細い煙がたなびいているのを見たとき、彼は空へ行ったように見えた。   (2019/3/10 00:43:04)

火葬場…??   (2019/3/10 00:48:24)

見えたから。   (2019/3/10 00:48:51)

なんとなく思い立って、ブレザーのポケットを漁ると透明なビー玉が転がり出た。いつの間に入れたっけ。そんなことを思いながら指先で摘まむと空にかざしてみた。   (2019/3/10 00:50:48)

きらきら、球体の中に混じり気のない青い光が閉じ込められたようで、見ているとひどく眩しかった。それでもずっと見ていたくなるような、不思議な色をしていた。   (2019/3/10 00:52:06)

ひどく眩しい!!!   (2019/3/10 00:52:19)

向きを変える度に違う方向から光が差して、ずっと見ていても飽きなかった。何かに似ている気がして、あやふやな記憶を探る。   (2019/3/10 00:55:00)

あ、わかった。跡部の目だ。それを思い出した瞬間すとんと腑に落ちる。だから見ていても飽きないのか。   (2019/3/10 00:56:16)

似てる似てる、と笑った声は青空に吸い込まれて消えていった。自分一人で独占する屋上は静かだった。ひとしきり笑ったあと、小さく小さくため息をついた。間違っても彼には聞こえないように。   (2019/3/10 01:01:23)

「あーあ。あとべがいないとつまんないね」   (2019/3/10 01:02:00)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/10 01:02:05)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/10 21:34:51)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=55lVdQ5kSV   (2019/3/10 21:35:03)

これはゆきむら   (2019/3/10 21:35:10)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/10 21:35:14)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/10 22:48:55)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=wQPuU22QnH  白石   (2019/3/10 22:49:19)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=MJqH61oOWH 忍足ゆうし   (2019/3/10 22:49:38)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=ZZSPu8YmSq ひよしわかし   (2019/3/10 22:49:50)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=H1NyNnLWja  ふじしゅうすけ   (2019/3/10 22:50:00)

Picrewの「私好みの男メーカー」でつくったよ! https://picrew.me/share?cd=NYeaFeFcFa  やなぎ   (2019/3/10 22:50:12)

料理が上手! ちょっとつり目気味 黄色 美脚 口小さそう 前髪ぱっつんポニテ 低身長で、アイコンの顔のグッズ持ち歩いてる 髪の毛長めのサラッッッサラヘアー 妄想日記を書いてる 髪色は薄そう!佐伯くらいの色!   (2019/3/10 22:50:21)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/10 22:50:23)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/12 00:31:16)

さながら試合をしている時の様な鋭い視線にまっすぐに射抜かれる。その瞳を怖い、とすら思ってしまったのは何故だろうか。「謙也さ、」痛いほどの沈黙に耐えられなくなって口火を切ったのは俺の方だった。しかし、名前を呼ぼうと開いた唇が最後まで言葉を言い終わることはなかった。彼にしてはひどく珍しい、噛み付くようなキス。どこか焦りすら窺えるほど余裕のないそれは、いつものようにふざけて突き離すことさえ敵わなかった。   (2019/3/12 00:31:26)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/12 00:31:29)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/12 21:50:15)

「貴女って人は…一体何度繰り返せば気が済むんです?」彼の小言に身を竦める。今回ばかりは何も言い返せそうにない。今日小言を言われている理由としては、また宿題を滞納してしまったのが原因だろう。部活が…と恐る恐る弁解しようとした言葉は、既に先程「それは僕たちも一緒です」と跳ね退けられてしまった。そして今返す言葉もございませんとばかりに彼の小言を聞いているという訳である。「とにかく!今日これらを終わらせるまで帰りませんからね!」ガミガミと暫く続いた言葉の最後に付け足された言葉に少なからず驚いた。それはつまり自分と帰ってくれる気があったということで。彼はそんなに面倒みが良い方だっただろうか、そんな怪訝そうな視線に気付いたのか、気まずそうに視線を逸らされる。「僕が居るのに終わらないなんてことはないように。いいですね?ほら、さっさとノートを広げなさい。…分からないところがあったら、教えてあげますから」彼はこの言葉を言う為に怒ってくれていると考えるのは些か傲慢だろうか。知らず知らずの内に頬が緩む。「何にやけてるんですか!さっさとやりますよ!」宿題を忘れるのもたまには悪くない、だなんて。   (2019/3/12 21:50:28)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/12 21:50:33)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/13 18:18:03)

「ジロー」どこか遠くで自分の名を呼ぶ声がする。ふわふわと夢と現実の隙間を漂っていた意識が一気に現実側に引き戻された。目を薄らと開けるとちらちら木洩れ日が差してひどく眩しかった。んーともあーともつかない呻き声を上げながら目を擦る。少しすると意識が覚醒してきて、ようやく声の方に視線を向けると胸にコサージュを飾った跡部が立っていた。「早くしねーと式始まんぞ。ほら」みんな待ってる。不敵に微笑んだ彼が差しだした手を握って、俺は身体を起こした。一瞬ざぁ、と強い風が吹いて目を瞑る。その風も一カ月前とは比べ物にならないくらい温まっていて春の訪れを感じさせた。双眸を開くと、此方に向かって歩いてくる人影が目に付いた。急げよと飛び跳ねる赤髪の少年。相変わらずやなと肩を竦める丸眼鏡の少年。写真撮ろうぜと笑う帽子の少年。早く来なよと微笑む茶髪の少年。紛れもない、俺のチームメイト。そして今日でそれぞれの道を歩んでいく同輩。「ああ、今日で卒業かぁ」大切な大切な、三年間の想い出。   (2019/3/13 18:18:15)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/13 18:18:18)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/14 23:34:24)

「…なんだこれは?」半ば押しつけられるようにして渡された小箱をしげしげと眺めた。リボンが綺麗に掛けられたそれはどうみてもプレゼント用。何でもない日おめでとう、と態々言うような奴じゃあるまいし、それでも何でもない日にしれっとパーティを開くような奴だからこんなこともあるのか。はてさて、何も思いつかないままの俺は困ったようにそれを持って彼の方に首を傾げた。   (2019/3/14 23:34:41)

https://picrew.me/share?cd=uH280hcuX4 #Picrew #おにいさんメーカー いぶ   (2019/3/14 23:35:04)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/14 23:35:07)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/15 20:22:29)

「…これは?」先程手渡された小箱をしげしげと眺める。普段あまり贈り物をしない彼にとっては珍しいことだ。彼の方に目線を上げて尋ねると、「決まっているだろう」と生真面目な顔で返される。「ホワイトデーだ。バレンタインに貰ったからな」彼の口からあまりにも似つかわしくない単語が発せられたことに驚いて、理解するまでに数秒時間を要した。なんとなくそういう浮かれたことは好まないと思い込んでいたのだ。だから、バレンタインも偶然を装って普通の菓子を寄越したし、彼も礼を言うのみだったから、てっきり気付いていないものとばかり思っていた。「手塚がそんなことを気にするとはな。驚いたぜ」「意外か?」彼が心外そうに尋ねるものだから、嗚呼と頷いてみせた。黒を基調としたデザインに鮮やかなコバルトブルーのリボンが掛けられたその小箱は、きっと自分のことを考えて選んでくれたのだろうと思う。それがとてつもなく嬉しくて頬が緩んだ。   (2019/3/15 20:23:57)

「なあ、開けても良いか?」「勿論」促されるままにしゅるりとリボンを解き、蓋をそっと外すときらきらと輝くキャンディが顔を出した。可愛らしいその煌めきにふっと笑みが零れる。礼を言おうと顔を上げると彼の方が先に口を開いた。「ホワイトデーの贈り物というのは選ぶ品によって意味合いが変わると聞いた。キャンディの意味は__、」   (2019/3/15 20:23:59)

おしらせさんが退室しました。  (2019/3/15 20:24:01)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/16 22:20:22)

やあ   (2019/3/16 22:20:40)

久々に遊ぼうかと思いました!いえーい   (2019/3/16 22:20:52)

1d100 → (82) = 82  (2019/3/16 22:20:58)

運命??(????)   (2019/3/16 22:21:05)

1d6 → (3) = 3  (2019/3/16 22:21:09)

みゃ~ミス   (2019/3/16 22:21:19)

1d10 → (7) = 7  (2019/3/16 22:21:22)

幻覚!あるいは妄想!   (2019/3/16 22:21:34)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、さんが自動退室しました。  (2019/3/16 22:41:41)

おしらせさんが入室しました♪  (2019/3/16 22:48:07)

「目が覚めると白い正方形の部屋にいて、突然最愛の人が殺されたときの反応 ~発狂編~」   (2019/3/16 22:48:22)

82   (2019/3/16 22:48:32)

先程まで話していた筈の彼が、どうして目の前に倒れている?「柳生?あ、れ?」いつもは返事をしてくれるのに何故か返事はなかった。ごろりと横たわったままの彼は何度見ても寝ているようにしか見えなくて、彼の身体に手を伸ばす。早く起きんしゃい、と軽く揺するとべったりとした何かが手についた。不思議に思って両の手を見ると手の平が赤く染まっている。このあかいものは何だろうか。しばらくそれが認識できなくて両の掌を眺めた。濃厚な鉄錆の匂いが鼻をついてようやく、これが血液だと気付いた。胃の底がすっと冷えた。「…ッはは…、俺をペテンに掛けるなんて百年早いぜよ。なあ、柳生。…柳生?柳生!おい!聞いとるんか!!」うそだ。まさか彼が死んでいるなんて、彼がむざむざと殺されるなんて。そんなことがあるはずがない。なあ、そうだろ?「たのむから、」嘘だと言ってくれ。せめて顔だけでもと此方を向かせようとした手は空を切る。   (2019/3/16 22:48:45)

瞳が捉えたのは先程触れたところから黒が彼の身体を蝕んでいく様だった。止める間もなく広がった黒色から、ドロドロと腐り落ちていく。鮮やかな赤色は濁った茶色へ、白の柔肌はどす黒い赤色へ。「ッひ、」喉奥から悲鳴が零れた。彼の身体が原型をなくしていく。腐臭が鼻先を掠める。愛しい人が見るも無残な姿へ変わっていく。一瞬の時間が永遠とも思えた。残酷に進んでいくそれを止める術を持たないまま、耳を押さえてしゃがみ込む。やめろ、もうやめてくれ。   (2019/3/16 22:49:01)

1d100 → (75) = 75  (2019/3/16 22:49:06)

1d10 → (10) = 10  (2019/3/16 22:49:09)

ヤッタ~~~~~~~~!!!!!昏迷だ!!!!!!!!!!   (2019/3/16 22:49:28)

2018年12月24日 23時16分 ~ 2019年03月16日 22時49分 の過去ログ
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